主人「いい加減にしてくれませんか、目暮警部!
これだけのお客様をいつまで足止めしておくんです。
あなた方の実りの無い捜査にこれ以上付き合ってる暇は無いんだ」
目暮「まぁまぁご主人、仮にもあなたのパーテゖーの招待客である。
やつびし銀行の山崎頭取が被害に合われたんですから…
もう暫くのご辛抱を」
主人「この中に犯人がいるとでも言うのかね?」
新一「その通りです。
部屋は中から鍵をかけられ密室、
犯人は3階の隣の窓から侵入し窓から出ていった。
窓の下に足跡が無く、状況が全て内部の者の犯行で有る事を示しています」
主人「馬鹿な、あそこは隣の窓でも10メートルは有るんだ。
飛び移るのは無理だ!」
新一「隣の窓でも屋根のふちから伝っていけば、
山崎氏の部屋の窓まで残り2メートルも有りませんよ」
主人「フン、ガキの推理だな。帰りはどうする?
ベランダから2メートルも有る10センチばかりの屋根のふちに飛び移れる訳が無い」
新一「犯人は隣の部屋を出る時結び付けたロープを持って行きました。
帰りはベランダに固定したロープを伝って戻ったんです」
目暮「しかしベランダに固定したロープはどうやって外したんだね」
新一「簡単な事ですよ、目暮警部。ロープの先に棒を結びつけて、
ベランダに引っ掛け、ゆるめると何無くはずれます。
ベランダを調べて下さい、ロープを固定した時の傷が見つかる筈です」
目暮「だが山崎氏は何故、密室状態であの部屋に?」
新一「おそらく内密の話が有るとでも言って、内側から鍵をかけて待つ様、
犯人が指示したんでしょう」
主人「ごたくはもう沢山だ!一体誰かね!私の親友山崎を殺したのは?」
新一「この家の構造を知り、あの時間に誰にも怪しまれずに
家中を歩き回れた人物はただ一人。それは…」
目暮「それは?」
新一「ご主人、あなたです!!」
主人「冗談はよしたまえ、第一わしの足はまだ…」
新一「真実はいつも1つ!」
メド「だ、だんな様?」
主人「しまった!」
新一「あんたの足は三ヶ月前に治ってんだよ!そうですよね目暮警部」
目暮「観念しろ、お前の主治医が全てはいたぞ!
それに親友である山崎氏とは、金の事でもめていた事も確認は取ってある」
新一「逃がすかよ!」
「ゴール!」
目暮「いや~!また君の力を借りてしまったな工藤君!
いつもいつもすまんのう」
新一「いえいえ、また難事件が有ればこの名探偵、工藤新一にご依頼を!」
「ジェットコースター殺人事件」
新一「何だ!?」
新一「いい加減にしてくれよ阿笠博士!」
阿笠「いや、お前を起こそうと思ってな。目覚まし時計よりは確実に起きるじゃろ」
新一「全く…」
阿笠「いつ見ても凄い本だなぁ。まこれだけの本を読んだからお前の父上は世界的なミステリー作家になれたんだ」 新一「動かないでよ博士」
阿笠「おお悪い…」
新一「今度は何を実験してたの?」
阿笠「いいか誰にも話してはならん!わしと新一だけの秘密だぞ?
こいつはな、個人用移動ロケットだ。
完成すれば交通渋滞は解消されワシは大金持ちになれる(笑)」
新一「駄目だごりゃ」
毛利「くっそー!このやろ、このやろ、このやろー!!あ痛たー」
蘭 「いい加減にしたら、お父さん?」
毛利「高校生のくせに探偵なんてするから俺の仕事が減っちまうんだ!」
蘭 「しょうがないじゃない、新一は優秀なんだから」
毛利「こっちは生活がかかってるんだ」
蘭 「行ってきまーす」
テレビ「名探偵工藤新一、平成のシャーロック·ホームズ!
まさに彼こそ日本政府の救世主といえましょう!」
女子高生「格好良いよね工藤新一」
女子高生「私ラブレター書いちゃおうかな」
蘭 「バッカみたい、ヘラヘラしちゃって」
新一「なーに怒ってんだよ蘭!」
蘭 「別にー!新一が活躍してるせいで私のお父さんの仕事が減ってるからって怒ってなんかいませんよーだ」 新一「お父さんに仕事が来ないのは俺のせいじゃなくて、腕のせいだと…」
蘭 「オッホッホ…
だから怒って無いって言ってるでしょ」
新一「さすが空手部主将…」
蘭 「サッカー部辞めてなかったら今頃は国立のヒーローになれたのに」
新一「サッカーは探偵に必要な運動神経を付ける為にやってただけだよ
ほら、ホームズだって剣術をやってたし」
蘭 「小説でしょ?あれは」
新一「でも皆が知ってる名探偵さ。
彼は凄いよ、いかなる時でも冷静沈着溢れる知性と教養、
鋭い観察力と推理力は天下一品!おまけにバオリンの腕は一級なんだ!
小説家コナンドルが生み出したシャーロックホームズは世界最高の名探偵だよ!」
蘭 「そんなに好きならお父さんみたいに小説家になれば良いじゃない」
新一「俺は探偵を書きたいんじゃ無くて探偵になりたいんだ!
平成のシャーロックホームズにな!
策を労した犯人を追い詰める時のあのスリル!あの快感!
1度やったら辞められねーぜ、探偵はよ。
ホラ見ろよこのフゔンレター!もてるんだぜ探偵は」
蘭 「女の子にデレデレするのは良いけどちゃんと本命1本に絞りなさいよ」
新一「本命か…」
蘭 「何よ、人の顔ジロジロ見ちゃって」
新一「あ、別に!
早く行かないと授業始まるぞ」
蘭 「あ、ちょっと!」
新一「ん?」
蘭 「明日の約束、忘れて無いでしょうね?」
新一「約束?」
蘭 「言ったじゃないのー!
私が空手で都大会に優勝したらトロピカルランドに連れていってくれるって!」
新一「お、覚えてまーす」
歩美「超面白かったね」
光彦「超心臓に悪い!」
元太「もう帰ろうぜ」
歩美「元太君も体は大きいくせに怖がりなんだから!
でもミステリーコースターなら大丈夫でしょ」
光彦「歩美ちゃん僕達帰りの交通費しか残ってませんよ」
歩美「平気平気!あたしに任せなさいって!」
蘭 「ホラホラ新一!ミステリーコースターすいてるよ!」
新一「?」
新一「ゕツらただで潜り込むつもりだな…ったく最近のガキは」
新一「ホームズの凄い所はな、助手のワトソンに初めて会った時、
握手しただけで彼が軍医としてゕフガンに行っていた事を見抜いたって事なんだ!
こんな風にね。
あなた、体操部に入ってますね」
瞳 「え?どうしてそれを」
礼子「知り合いなの?ひとみ」
新一「彼女の手のマメさ。
女の人でこんなに手にマメが出来るのは鉄棒をやってる人位だからね」
蘭 「でもテニスやっててもマメ位」
新一「本当はさっきこの人のスカートが風でめくれた時に見ちゃったのさ、
段違い平行棒の経験者が足の付けねに出来る独特のゕザをな」
蘭 「最初っから知ってたなんてンチキよ!
…いつまで手を握ってる気?」
新一「ん?ああそっか」
男 「コラ!俺のダチにちょっかい出してんじゃねーぞ!」
新一「お友達ですか、何なら列を変わってあげましょうか?」
瞳 「あ、いいわよ別に」
礼子「それに愛子と岸田訓君の邪魔しちゃ悪いし」
蘭 「新一!ホラ前が空いたよ!」
新一「おお」
元太「これからどうするんだよ」
歩美「このまま乗る列に並んじゃえば良いのよ」
光彦「どっちですか列って」
歩美「それを捜してるんでしょ」
新一「それでな、その時ホームズは」
ウオッカ「どけどけ俺達が先だ」
新一「分かるか?コナンドルはきっとこい言いたかったんだ!
ホームズって奴は」
蘭 「いい加減にしてよ!!ホームズだのコナンドルって、この推理おたく!
はあ…私は新一と来るのずっと楽しみにしてたのにさ…
どうして私の気持ちに気付いてくれないの」
新一「あ…蘭…実は俺も」
蘭 「バーカ!何あせってんのよ嘘に決まってんでしょ
こんな手に引っ掛かるようじゃ探偵は勤まんないわよ?」
新一「くそ」
蘭 「でもね、楽しみにしてたのは本当だよ」
新一「水か?」
元太「何だ今の!早くここを出ようぜ」
歩美「何これ」
愛子「きゃあああああ」
光彦「うわあパトカーですよあの音」
新一「ちょっと君達」
光彦「僕達ただで入ってません!」
歩美「あ!お兄ちゃんもしかして高校生探偵の」
新一「工藤新一さ」
恋人「ど、どうして岸田君が」
ジン「ただの事故に付き合ってるヒマは無い!もう帰らせてくれ」
新一「違う!これは殺人だ!
そして犯人は被害者と一緒にコースターに乗った七人の中にいる」
蘭 「もう新一どこに行ってたのよ」
目暮「今言った事は本当かね工藤君?」
ウオッカ「何?工藤」
客 「おおあれが有名な高校生探偵の工藤新一か」
客 「日本警察の救世主!」
ジン「こいつが工藤か」
目暮「つまり君と蘭君をとりあえず除外して考えると、容疑者は五人。
1列目に乗っていた被害者の友人Aと同じくB、
被害者と同じ3列目に乗っていた被害者の友人でもあり恋人でも有るC、
そして被害者の後ろに乗っていた黒ずくめの男、DとE。
でもそうなると全員セーフテゖガードをしていたのだから
殺害出来たのは被害者の隣に座っていたあの女性だけという事になるが」
ジン「オ早くしてくれ!
俺達は探偵ごっこに付き合ってるヒマは無いんだぜ!」
新一(何だ?こいつの氷りつく様な目は?平気で何人も殺してきた様な目だ。
こいつは一体?)
警官「警部!この女性のバッグの中から包丁が」
愛子「嘘!私知らないわよこんな物」
瞳 「愛子…岸田君とは上手くいってると思ったのに何で」
愛子「ち、違う私じゃ無い!」
ジン「犯人はその女で決まりだ!
俺達は帰らせてもらうぜ!」
目暮「よしその女性を容疑者として連行しろ!」
新一「待って下さい警部、犯人はその人じゃありません」
目暮「ええ?じゃあ誰が?」
新一「真実はいつも1つ。犯人はあなただ!」
瞳 「な、何言ってんのよ!刃物は愛子のバッグから…」
新一「あんな物で人間の首を切断出来ませんよ。それも女性の力ではね。
あなたは愛子さんに罪をなする付ける為に、あらかじめ彼女のバッグに入れておいたんだ」 目暮「しかし彼女はコースターの一番前に座っていたんだ。
無理じゃないのかね」
新一「いやコースターのスピードとピゕノ線か鋼鉄の輪を利用すれば可能です」
新一「いいですが皆さん、僕が犯人で目暮警部が被害者ですよ!
まずセフテゖガードを下ろす前にバッグの様な物を背中に挟み込みガードを下ろす。 するとホラ、隙間が出来て簡単に抜けられる。
次にあらかじめ用意しておいた鋼鉄の輪にフックの様な機具を取り付けた物を取り出す。 それでガードに足をかけ体を伸し、被害者の首にかける!
もちろん真っ暗な中でね。仕上げにレールにフックを引っ掛ける!
後はコースターの走るスピードとパワーが首を吹っ飛ばしてくれる。
体操をやっているあなたならコースターの上でもこれ位の事は出来るハズだ」
瞳 「でたらめよ!何を証拠に」
新一「ネックレスはどうしました?乗る前に付けていた真珠のネックレスですよ。
これじゃ無いですか?
もう1つはその涙です。
あなたは被害者が死ぬのを知っていた、だから殺す前に涙を流した。
あなたの目の横についた涙の跡、コースターにでも乗らない限り涙は横に流れないんですよ。」 瞳 「皆あの人が悪いのよ!あの人が私を捨てるから!」
礼子「瞳、あなた岸田君と付き合ってたの?」
瞳 「そうよ!大学であなた達と会うずっと前から!
だから初めてデートした場所で…
あの人からもらったネックレスであの人を殺し死のうと思っていたの。
うっうっう…」
新一「おいもう泣くなよ」
蘭 「あんたはよく平気でいられるわね」
新一「俺は現場で見慣れてるから、バラバラなやつとか」
蘭 「最低!」
新一「早く忘れた方が良いよー、よく有る事だから」
蘭 「無いわよこんな事!」
新一(あれは…コースターで乗っていた黒ずくめの男の1人…)
「ごめん蘭、先に帰っててくれ!」
蘭 「あ、ちょっと」
新一「すぐに追い付くからよ!」
蘭 (行っちゃう…
その時私は何故かそんな予感がした。
新一にもうこれっきり会えない様な嫌な予感が…)
ウオッカ「待たせたな、社長さんよ」
社長「遅いじゃないか!2時間も待ったんだぞ!約束通り1人で来た」
ウオッカ「知ってるさ、コースターの上から確かめさせてもらったからな」
社長「早く例の物を」
ウオッカ「あせるなよ!金が先だ」
社長「ホラこれで文句あるまい?」
新一(すげえ、1億はあるぞ)
ウオッカ「取り引きは成立だ」
社長「早くフゖルムをくれ」
ウオッカ「お前の会社が拳銃を密輸してる証拠フゖルムか?ホラよ」
社長「フゖルムはこれだけだろうな?」
ウオッカ「もちろんだ」
新一(一体あの連中は…)
ジン「探偵ごっこはそこまでだ!」
ジン「こんなガキにつけられやがって!」
ウオッカ「あの探偵じゃないですか兄貴、やっちまいますか!」
ジン「ひっこめろ、サツがまだうろついてるんだ。
こいつを使おう、組織が新開発した毒薬をな!
死体からは毒が検出されないっていう代物だ。
まだ人間には試した事は無い試作品らしいがな…
あばよ、名探偵!」
新一(体が…熱い!骨が溶けてるみてえだ…駄目だ!)
警官「おーい、誰か死んでるぞ!」
警官「何だと!」
新一(ハハ…やっぱオレ死んじまったのか)
警官「いや、まだ息が有る」
警官「救急車だ!救急車を呼べ!」
新一(生きてる?そうかあの薬人間には効かなかったんだ) 警官「オ、しっかりしろ!立てるか、坊や?」 新一(ぼ、坊や?)
コナン「え?」